彼女は片目の瞼が半分程度しか開かない病気でした。(先天性右眼瞼下垂)
まだ 3歳で可愛らしい女の子です。
母親からは
「学校に行くようになったら からかわれ肩身の狭い思いはしないだろうか?」
「病院に行くと 6歳ごろまで様子をみて変化がなかったら手術になりますと言われました。」
「手術をせずに治す方法を模索しています。」
「開くでしょうか?」
そんな相談があったときに 瞬間 自分では不可能かも知れないと思いました。
通常は そんな消極的なことは思わないのですが 自分にはまだ その資格がないし(メンタル面)レベルに達していないと直感したのかも知れません。
今まで 相談があっても 会話を含め 30分×3回がMAXです。
それ以上 行ったことはありません。
この少女の場合 数日間において10分を15回行いました。
対面するたびに 私を信じて顔を前に 健気にその目を差し出してくる様は思わず涙を誘う行為でした。
なんとかしてあげたいとの思いがこみ上げると同時に焦っていたのかも知れません。
そっと手をあてる初日の10分 手ごたえがまったくない・・・
心を遊ばせるということを忘れていました。
結果 微々たる変化もありませんでした。
最終日「私の限界です。」と告げます。
母親の方も 私に気遣ってか 落胆の表情も見せませんでした。
お互いの信頼感はあったのに 何故 好反応が起きなかったのか 事後 溜息の連続だったのを思い出します。